自己紹介

Japan
仕事:心カテ屋。2008年6月から、CAへ渡米、2011年5月帰国。 プライベートでの興味:FX、車、洋服、旅行、音楽、サーフィン、ギター、総合格闘技観戦など。

2010年1月22日金曜日

医療崩壊とマスコミのミスリード

今回の医療ドキュメントは年末に放送された北海道での地域医療と医療崩壊について放送されたドキュメンタリー。
昨今のマスコミの医療報道といえば、「スーパードクターモノ」と「手術件数モノ」ばかりで、これは明らかにマスコミのミスリードだと思う。
日本の医療保険、医療体制を鑑みた上で目差すべきは「医療の平均化」であって「医療の格差化」ではないはず。
もし医療の格差化を望むのなら、それこそ国民皆保険制度なんて維持不可能であって、自由診療、自費診療にすべき。この辺りの中途半端なアメリカ志向が本当に腹正しい。

逆に私が日本で働いていた環境はそれこそ「スーパードクター養成病院」のような虎の穴的病院で、自分の今後のキャリアについて色々と考えさせられる。
むしろアメリカの方が「誰がやっても同じ医療」(アメリカ人は概して手先が不器用で手術などは決して上手くない、特に私の専門分野ではつくづくそう思わされる)を目指した医療機器開発やエビデンスを基にしたガイドライン作り(これについては一言あるけど、それはまた今度)に取り組んでおり、日本が目指す医療の将来像はむしろこちらなのでは?と思わされる。

このビデオを見て思ったことは、
1. 医者は決して「24時間365日医者でいることを嫌がっているのではない」事。むしろ基本的にはそうありたい、と思っている。それが医者としての生き甲斐であるから。ただ「医は聖職」でなくなってしまった今、医者だって自分の権利を守ることに目覚めてしまった。それは患者さん側だけの問題でもないと思うし(個人的にはビデオ後半の「医師に感謝を現しましょう」的なノリは違和感を覚える)、ニホンという社会の流れそのものなんであろう。
2. 個人一人で支えていた医療システムは「医は聖職」時代は美しい姿であった。しかし今はそのシステムを追求すべきでない。私の周りにも、自分一人で全てを請け負い仕事をしているDrがかなり多い。私も、研修医時代などは当直明け36時間連続で働いて、また夜中に呼びだされ、というような勤務体系で働いてきたし、そうする事が医者として当然だと思っていた。それをやり甲斐にも感じていた。私個人の基本的な仕事に対する考え方は今でも変わらないが、目指す社会のシステム作りとして大事なのは、「代用」が効くシステム作りだと思う。そのDrが利用出来なくなっても、同じレベルの医療が受けられるシステムを目指すべき。仕事に熱中しているDr,患者想いのDr程、自分の代用は無い、と思いがち。でもそのシステムでは今後の医療システムを支えていくのは難しいと思う。

ビデオの中にあるように、患者と医師の関係性の歪みが医師の過剰労働に対する不満の堰を切ってしまい、昨今の「立ち去り型サボタージュ」を産んだのだと思う。それは[患者-医師関係]、という小さな世界の話ではなく、日本社会での他者との関わり方の歪み、そのものなんだと思う。
医療従事者のみならず国民みんなで考えようよ。













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