自己紹介

Japan
仕事:心カテ屋。2008年6月から、CAへ渡米、2011年5月帰国。 プライベートでの興味:FX、車、洋服、旅行、音楽、サーフィン、ギター、総合格闘技観戦など。

2010年10月8日金曜日

TAVIの続き

先日のエントリー、TAVIの最後に触れたデバイスラグ、ドラッグラグと日本医療のことなんですが、その筋の人でない人にも解りやすいように書くと、世の中には新しい医療機器や薬がどんどん発売されていますよね。厚生労働省(その中でも担当するのは医薬品医療機器総合機構(PMDA))の認可の関係で、日本には欧米と比して3~5年(酷い時には10年)程度遅れて入ってきます。この差を薬ならドラッグラグ、医療機器ならデバイスラグと言います。

なぜこんなに時間がかかってしまうのかというと、色々な要素があると思います。薬害事件などの歴史的な面もあったと思いますし、日本人特有の医療に対する不確実さを許せない気質(リスクを取らない)も影響してるのかもしれません。

もちろん新しいデバイスがすぐに使えるようになることは素晴らしいことですが、早期デバイス導入は現代日本社会の斜陽感に逆行しているような気がしてなりません。TAVIのように代替えが効かない画期的な治療デバイスと、新しい種類の冠動脈ステントを並列に考えるのはどうかな?と思います。正直新しい冠動脈ステントが冠動脈患者の生命予後を改善したというデータは、今のところ一つもありません。
以前のエントリーでも書きましたが、新しい医療機器が入れば入るほど高額医療になる可能性が高く、日本の保健医療財政を逼迫します。
どのデバイスを入れるべきか、という選択眼が大切な気がしています。後は、デバイスの不確実性、長期予後の不透明さ、に国民全体が寛容になれるかでしょうね。
例えば1つの不具合が生じた事例を取って捕まえて「新しい医療機器の全てがダメ」、とやってしまうと進歩は止まるどころか、後退してしまいます。日本の経済界でも同じ事が3年くらい前にありましたよね。あれをやってしまってはいけないな、とつくづく思います。





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